ここでは、千葉県長柄町で構想中のオートキャンプ場の動員予測をしたときの報告レポートをご紹介いたします。
重相関モデル式を用いた手法をとっていますので、興味のある方は是非ご覧下さい。


(1)推計手法
(2)事例オートキャンプ場の実績データの整理
(3)重相関分析による予測モデル式の作成と計画オートキャンプ場の利用者数の予測

(1)推計手法

ここでは、既存のオートキャンプ場10施設の利用実績と営業日数、規模(サイト数)、周辺の市場規模(常住人口、観光客数)等のデータを元に、利用者数(目的変数)とそれを説明する各種の変数(説明変数)間の重相関分析を行い、そこで得られた重回帰式(予測モデル式)に計画地の諸条件を代入し、計画オートキャンプ場の利用者数およびその際の稼働率を推計してみた。

具体的には下図の作業フローに示すように以下のような作業を行った。

1) 事例オートキャンプ場10施設について利用実績、営業日数、規模(サイト数)、周辺の市場規模(常住人口、観光客数)のデータを整理する。
2) 整理したデータを元に重相関分析を行い、重回帰式(予測モデル式)を作成する。
3) 計画オートキャンプ場について、周辺の市場規模(常住人口、観光客数)の算定をし、営業日数、規模(サイト数)を設定する。
4) 得られた重回帰式(予測モデル式)に計画オートキャンプ場の諸条件を代入し、計画オートキャンプ場の利用者数を推計する。
5) 推計利用客数と設定した規模(サイト数)、営業日数から稼働率を算定する。

 



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(2)事例オートキャンプ場の実績データの整理

・以下の10事例について、本需要予測で使用するデータを下表のように整理した。
・なお、市場規模は、各施設の立地点からの車利用による時間距離圏別に以下の条件で算定した。
   1)一般道  40km/h
   2)高速道路 80km/h
   3)有料道路 60km/h
・また、観光客については、市場規模要因としてよりも、むしろ周辺のレジャー施設の集積度合を代表する要因としてみた。
・このデータを用いて、重相関分析を実施した。

 



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(3)重相関分析による予測モデル式の作成と計画オートキャンプ場の利用者数の予測

1) 重相関分析による予測モデル式の作成

前項で整理した事例10施設のデータを元に、利用者数(Y)を目的変数とし、営業日数(X1)、サイト数(X2)、2時間圏市場規模(X3)、周辺観光客数(X4)を説明変数とする重相関分析を実施した。
重相関分析の結果、以下のような回帰式(予測モデル式)を得た。

 


この結果をみると、周辺観光客数と利用者数との間は負の相関であることが分かった。これは、オートキャンプ場の場合、周辺のレジャー関連施設の集積があまり強いとアウトドア本来の雰囲気が損なわれるため、逆に、利用者数が減少するためであると考えられる。
なお、上記の回帰式の中のRは重相関係数と呼ばれるもので、回帰式の信頼度を現す指標である。この値は0~1の値で、1に近い程信頼度が高く、一般的には0.7以上あるとその回帰式は信頼できるとされている。
そういう意味では、本回帰式のRは0.9428であるから、回帰式そのものの信頼度には問題がないといえよう。

2) 計画オートキャンプ場の利用者数、稼働率の予測

上記で得られた回帰式に計画オートキャンプ場の諸条件を代入して、計画オートキャンプ場の利用者数を推計するわけであるが、営業日数は温暖な気候を考えると塩原グリーンビレッジと同様に365日(通年営業)とし、サイト数については未定であるため、50~300の範囲で変動させて推計してみた。
推計に当たって、使用した計画オートキャンプ場の諸条件は以下のとおりである。

  ・営業日数(X1)=365日
  ・サイト数(X2)=50~300
  ・2時間圏市場規模(X3)=27,581千人(現在),29,927千人(将来)
  ・周辺観光客数(X4)=4,292千人

推計結果は下表に示すとおりである。利用者数は当然サイト数によって、大きく変動するがサイト数232、営業日数365日の「塩原グリーンヴィレッジ」の利用客数が70,000人で、計画施設のサイト数が250の場合の利用者数が約8万人であることから、「塩原グリーンヴィレッジ」と同様な集客力とみることができる。
サイト数が多いほど、稼働率は低くなるものの、概ね20%以上の集客力を持つことが確認できた。
なお、稼働率は1件当り利用人数を4人として算定した。




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