ホテルやレストラン、レジャー施設などのサービス関連施設では集客力を維持するために定期的にリニューアルや追加投資をする必要があります。
そのため、その種の施設の事業計画を立てる場合は予め、その追加投資分を計画段階からある程度見込む必要があります。
ここでは、初期の事業計画段階での追加投資の資金的な考え方や減価償却費の考え方、それの表計算ソフトでの対処法などを紹介しますので、是非、ご覧ください。


1.初期設定の方法
2.追加投資額の算定方法
3.追加投資の減価償却費の算定方法
4.追加投資の事業計画への影響

1.初期設定の方法
ホテルやレストラン、レジャー関連施設など初期の事業計画を立てる場合、最初に投資額の概算を算定し、次に減価償却費を算定するために、償却年数別にその投資の内訳を区分します。
この区分もこの段階では5区分程度のおおまかなものです。追加投資がない場合はこの区分に従って、定率法や定額法の算定方法で減価償却費を算定すればよいわけです。
この減価償却費の算定方法はExcelの財務関数を用いるのですが、これについては「EXCELの不動産収支試算への活用例」を見てください。
初期の事業計画段階では投資額を償却年数別に区分するのですが、このときに必要に応じて追加投資の条件を設定しておくのです。
原則として設備や内装、備品など躯体工事費以外の償却試算については追加投資の条件設定をします。ただし、開業費などの繰延資産は除きます。
初期の事業計画段階では追加投資の時期は初期投資の償却年数の最後の年の期末とし、その翌年からそれまでと同様に減価償却費を算定するものとします。
つまり、備品などのように償却年数の短いものは収支試算の期間中に何度も追加投資をすることになります。
私はこの段階では以下の例のように追加投資の金額は初期の投資額に対する割合と物価上昇率を設定しています。
 




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2.追加投資額の算定方法
前述したように追加投資は対象物の償却年の最後の年にします。だいたい、初期投資も開業前年に取得し、翌年、つまり、開業1年目から償却しますが、追加投資も償却年の最後の年に取得して、その翌年から償却するのです。
例えば、償却年数5年のものでしたら追加投資の時期は以下のようになります。

   0年(開業前)・・・・・・初期投資
   5年目・・・・・・・・・・第1回追加投資
  10年目・・・・・・・・・・第2回追加投資
        :
        :
 N×5年目・・・・・・・・・・第N回追加投資

次に追加投資額の算定ですが初期投資に対する追加投資の割合をR%、物価上昇率をr%とすると第N回追加投資の投資額は以下の式のようになります。

     追加投資額=初期投資×R%×(1+r%)^(N)

 ここで^はべき乗を意味しています。

 

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3.追加投資の減価償却費の算定方法

次に先ほど算定した追加投資額の減価償却費ですが前述したように、投資した年度の翌年から償却年数間で償却します。これの繰り返しになるわけです。 つまり、初期投資を含めた各投資の減価償却費が重ならないようになります。
先ほどの例の「什器・備品」(初期投資10,1000千円、償却年数5年、追加投資の割合30%、物価上昇率2%)の追加投資とその減価償却費(定率法)は以下のようになります。

 



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4.追加投資の事業計画への影響

事業計画で追加投資を考慮した場合、事業計画そのものには考慮しない場合に比べ、以下のような影響があります。
また、投資の回収も追加投資を含めた累積投資額と回収額(純利益+減価償却費)で判断する必要があります。

追加投資の事業計画への影響

  • 新たに資金支出が増えるため、キャッシュフローに大きな影響を与える。
  • 累積投資が増加するため投下資金の回収が遅くなる。
  • 借入金の返済源資が減少するため、借入金の返済可能期間が伸びる。
  • 支払利息の増加、受取利息の減少に伴う経常利益の悪化。
  • 減価償却費の増加に伴う経常利益の悪化。

上記のような影響を初期の段階である程度考慮しておかなければ、計画と実際の事業における採算の状況が大きく狂い、その事業が当初の目論見どおりにいかない結果となる。

 

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